武居三省堂

Stationery store TAKEI SANSYODO

幅390 奥行き1250 高さ760mm
縮尺: 1/20
制作: 2011
作品設定: 昭和59年(1984年)

「武居三省堂(たけい さんしょうどう)」さんは1927年建築(昭和2年)。
(出版社の三省堂(さんせいどう)と区別して武居三省堂(さんしょうどう)と呼ぶそうです)。かつて神田一丁目にありましたが、取り壊す寸前に保存という運命に至り、その後「江戸東京たてもの園」に移築されたそうです。

一階には店舗と台所と風呂とトイレがあり、(注:この時代にお風呂付というのは大変珍しいのです。小判型の木のお風呂だったそうです)2階、3階は住居、地下にはこれまた珍しい仕事場がありました。

店の正面に入ると左に桐の筆用収納箱が200程ずらりと並び、それだけでも圧巻されるのですが、注文があった際その収納箱から間違いなく筆をさっと取り出していたであろう古き時代の店主たちの姿や、店舗の中にぶらさがっている大きな筆見本をいじったりしたであろう丸坊主達の姿を想像すると、店舗としての活気あった頃が気になって仕方ありません。

資料によると営業当時は17人で生活していた事がわかっています。(内訳は祖母1人、叔父叔母4人、両親2人、子供5人、使用人5人の計17人)。ところが1階の台所を見ても、通ってきた人が何人いたかはわからないのですが、どうみても狭い!!どうやって食事を作っていたのか、17人分x3食をどうこの台所で作っていたのか、全くもって謎です。
一方、資料によると所帯道具はきわめて少ない。一体どうやって生活していたのか…謎は深まるばかりです。

作品の方の設定(自分の設定)では、17人で住むという事に全く想像がつかず、家族は3人、住み込み3人、お手伝いさん1人の7人で設定して製作致しました。

北原照久 北原ミュージアム所蔵
Photographer: 高橋良児 ((株)トイズプランニング)
        高橋勝美